BIG BROTHER IS WATCHING YOU

今年で学生ブランドなくなります。カナダにいるけどあまりカナダの話はしません

ここ3年の読書遍歴

 

私は小説ばかり読む。

ひとついい作品に出会うと、図書館でも本屋でも同じ作家の本を漁りがちだ。

現在好きな作家を挙げると、大学生になってから出会ってきた作家ばかり。

 

それから、紙の本が好き。

日本にいないが1000冊はくだらない日本語の本を借りれる環境にある。手に取れるジャンルは傾倒しているが、そのおかげで出会えた本が多い。

 

ここ3年で読んできた中で、ハマった作家を時系列順に並べてみた。

 

 

 

2016年夏 村上春樹を読破

初めて読んだのは「海辺のカフカ」、父の本棚からたまたま見つけた。作家は全く意識せず、海と付いているから何となく手に取った。ハマって、長編短編とりあえず図書館で手につくものは読んだ。村上春樹の書く文章は不思議だ。大きい事件は起こらないが、主人公と周りの少ない登場人物の世界は大きく揺さぶられて、でも結局何も変えなかったり変わらなかったり。どうでもよさそうなことが丁寧に書かれているが、文体は無駄がなく無機質だったり。SFにもなりうるような一見突拍子もないことが静かにしずかに起こるけれど、こういう小さい不思議な出来事は、誰も気付かない世界の隅っこで誰しもが経験しているんだろうな。最近読んでない

 

2016年冬 吉村昭にハマる

初めて読んだのは「破獄」。びっくりしてしまった。吉村昭は、現実にあった事件や出来事を綿密に取材した上で、史実になぞらえた物語を書くことが多いようだ。例えば、先述の「破獄」は昭和初期に四度脱獄を繰り返した男の話。戦中戦後の刑務所の様子はまるで見てきたかのように細かく描写されておりノンフィクションのようだが、登場人物たちはフィクションだ(主人公はモデルがいるが)。吉村昭の文章は、徹底した第三者視点と詳細な描写で、本当に映像を見ている気分にさせられて一気読みしてしまう

 

2017年春 吉本ばなな大好き

これ以前にもいくつか読んだことはあったのだが、「王国」シリーズが圧倒的すぎた。不器用で、お互いが大切すぎるせいで、大事なものの数は少ないのに抱えたらすぐ両手がいっぱいになってしまう登場人物たち。満たされることや優しくすることをきちんと知っていて憧れてしまう。現実逃避やじんわり元気をもらいたい時には吉本ばなな

 

2017年夏 ディストピアブーム開幕

図書館で何となく見つけた「虐殺器官」。何となく厨二くさいタイトルに惹かれて読んだらもう沼でした。伊藤計劃の思弁が圧倒的すぎる。そこから、既読のジョージ・オーウェル「動物農場」「1984年」も同じディストピアに分類されると知り、フィリップ・K・ディック、レイ・ブラッドベリを漁った。起こり得た現在、起こりうる未来。私たちの描くユートピアとディストピアにそこまで明確な違いはないと思う。愛と憎みたいな。昨日の敵は今日の友みたいな。私たちの視点が少しズラされれば、いつひっくり返ってもおかしくない。Blade RunnerもPSY-CHOPASSも大好き

 

2018年夏 浅田次郎にオチる

この時期手に取った「天切り松 闇がたり」シリーズが多分初めまして。人間らしく生きる上で何が大事なのか、何を優先すべきなのか、お金や損得勘定や数字では絶対に表せないものが、力強く堂々と描かれている。他のシリーズでもそうだった。 聖人君子なんかじゃなく、泥臭くて人間らしい、そして自分の正義を貫く人たちが出てくる。こういう人たちこそ鯔背って形容されるんじゃないかなって思う

 

 

2019年夏

最近はあまり新しい作家との出会いがなく、ざっくばらんに読んでいる、それから先述の作家をぐるぐるしたり。ディストピアブームはまだ続いている。他にもヘミングウェイとか山本周五郎とか沢木耕太郎も好き。national geographicは楽しい。ビジネス書や自己啓発系は、結構なお金を使わないと入手できないのでほぼ読めていない。そろそろ手を出したいので次の帰国はよ